アイナメの中華風カラ揚げ煮

この料理は中華風タレの出来がカギになる。タケノコ、ニンジン、モヤシ、シイタケ、その他のきのこ類などを油で炒め、これを酢、砂糖、醤油の煮汁で煮る。コショウや塩などの調味料を加え、これに溶かした片栗粉を加えて、とろっとしたあんかけ汁にする。

【調理手順】
  1. アイナメのウロコを引き、エラとハラワタを取り除く。頭はつけたままにする。
  2. 塩とコショウをふり、身の両側に3~4本の切れ目を入れておく。
  3. 小麦粉を薄くつけてカラ揚げにする。1尾のままだから、少し時間をかけてじっくりと揚げたい。
  4. 揚げた身を皿に盛り、中華風あんかけをかけて出来上がり。
さっぱりとしたアイナメの身が、中華風あんかけによってまた新しい風味を楽しませてくれる。

ベラの南蛮漬け

関東では外道としての存在だが、関西や瀬戸内では人気のある魚である。特にキュウセンと呼ばれるベラは高級魚扱いである。ここではベラの南蛮漬けを紹介しよう。

【調理手順】
  1. ベラはウロコが大きく頑丈で、その上ヌメリがあるので、根気良くウロコを引く必要がある。粗塩をふりタワシでヌメリを取っておくとウロコが取りやすい。
  2. 次にエラとハラワタを取り除き、水洗いしてから水気を切っておく。
  3. 小麦粉をまぶしてサラダ油でカラッと揚げる。
  4. これに刻んだ鷹の爪とタマネギの薄切りをのせ、三杯酢をかければ出来上がり。
食べ時は、三杯酢がちょっとしみたころ。小さいベラならば頭ごとガブリといける。

カワハギの薄造り

カワハギは白身がよくしまり、クセがないところはフグに似ている。弾力があり、歯ごたえもいい。
それにカワハギの肝は絶品である。
  1. まず頑丈なトゲを落としてから、皮をむく。口の先端を包丁で落として、口から皮を一気に引くとたやすくむける。
  2. 腹に包丁を入れてハラワタを取り出す。肝は大切だから傷つけないようにていねいに取り出しておく。
  3. 頭を落としてから五枚におろして薄皮をはぐ。皮のあった方を下にして1~2㎜ほどの厚さにそぐようにして斜め切りにする。
  4. これを大皿に花の文様のように並べれば、立派なフグ刺しのようになる。
ワサビ醤油やポン酢で食べるのもいいが、ここは一つ肝ダレといきたい。肝と醤油を和えてタレにする。これを薄造りにたっぷりとつけて舌にのせると、淡白な味に肝の濃厚な味が加わって、天然の風味が口の中にじわーと広がる。

グレの刺身

グレはメジナとも呼ばれ、磯釣りの対象魚として人気の高い魚である。
夏場のグレは磯臭く、冬場のグレは磯臭さが消え、とてもおいしくなる。夏は動物性のエサを食べているが、冬になると海藻など植物性のエサを食べることにより、味が変わる。この初秋から早春にかけてのグレは、刺身で食べたい。

【調理手順】
  1. ウロコをウロコ引きでよくこそげ取る。
  2. エラとハラワタを取り除き、頭を落とす。
  3. 三枚におろしてから、背と腹の身に分けて皮をはぐ。
  4. これを冷蔵庫に入れて冷やしておく。身が締まって味わいが深くなる。
  5. 平造りかそぎ切りにして、ワサビ醤油かポン酢醤油とモミジおろしで食べる。
タレは、白味噌、酢、砂糖、練りからしを合わせた辛子酢味噌で食べると、また違った味わいを楽しめる。

メバルと筍の煮付け

メバルは「春告魚」とも言われ、春になると釣りシーズンを迎える。また、春早く釣れるメバルを筍メバルとも呼ぶほど、同じ旬の筍とよく合う。早春にメバルを釣り上げたら、ぜひメバルと筍の煮つけで大いに春を楽しんでほしい。

【調理手順】
  1. メバルのウロコをていねいに取り除き、盛り付ける裏側の胸ビレ近くに5~6センチの包丁目を入れる。
  2. その包丁目から指を入れて、ハラワタとエラを引き出して、洗って水気を切っておく。
  3. 魚の表面に包丁目を一本入れる。こうすると味がしみやすくなる。筍は米のとぎ汁で茹でてから、適当な大きさに切っておく。
  4. 水、みりん、砂糖、日本酒の煮汁でメバルと筍を煮る。この時にむいた筍の皮を鍋に敷き詰めておくと取り出しやすい。
  5. 一度煮立ててから醤油を入れて、さらに煮込む。煮汁が少なくなったら煮汁をかけながら煮る。
  6. 煮汁がとろっとしたところで、山椒の芽を添えて出来上がり。
メバルを煮るコツはあっさり煮つけるか、濃いめににつけるかのどちらかにする。あっさり味ならば新鮮さを十分に楽しめるし、濃いめの味もまたメバルの風味をとく引き出すのである。