アジのなめろう

アジは大衆魚であるが、釣りアジは高級魚といっていいだろう。そのアジを房総半島の漁師料理である「なめろう」で味わってみたい。大きなアジはタタキや刺身に利用して、こちらは小さなアジで十分である。

【調理手順】
  1. 小アジの下ごしらえは指でやる。頭を上にして背を左手のひらの上にのせ、腹を見せたかたちで持つ。左手の親指で頭をちょっと持ち上げ、右手の親指と人差し指でエラとハラワタをつまみ出す。残ったハラワタを右手の人差し指できれいに取り除く。
  2. 次に右手で頭を持ち、左手の人差し指と親指で頭の方から皮をむく。三枚におろすのは包丁でよい。通常は腹骨をつけたままの二枚の身を使う。
  3. 二枚の身に、適量の味噌、細かくきざんだ根ショウガ、長ネギ、青ジソの葉を加えて出刃でたたく。味噌の量で味が決まる。多すぎれば辛くなるし、少ないと物足りない。少なめに入れておいて、味を見ながら加えていったほうが無難だろう。
  4. 出刃でねばりが出るくらいまでたたくのだが、あまりたたきすぎると味がぼやけてくるので注意する。そして皿にちょうど厚めの板チョコのように盛る。そして格子模様をつけて「なめろう」の出来上がりである。
食べる時は模様にそって箸を入れてタレも何もつけずに口に運ぶ。天然の甘みが心地よい。

ガッチョの天ぷら

関西ではガッチョ、関東ではメゴチといい刺身もうまい。また日干しにして、これでダシをとると絶品の吸い物が出来上がる。とはいってもガッチョといえば天ぷらが定番だ。それにガッチョが釣れるときはシロギスも釣れる。釣りたてのシロギスとガッチョが揃えば、味の点でもどんな老舗の天ぷら屋にも負けない天ぷらが食卓を飾ることになる。
ガッチョの下ごしらえは面倒だ。まずヌメリを十分にとる。このヌルヌルを十分にとらないと泥臭さがぬけない。

【調理手順】
  1. ザルの中にガッチョを入れて粗塩をふって十分にヌメリを取る。
  2. ヌメリを取ったら、左手で頭を抑え、胸ビレの両側から包丁を斜めに入れて頭を切り落としハラワタを包丁の先で引き出す。
  3. 一度水で洗ってから、肩口から中骨にそって包丁を入れ、尾の付け根で包丁を止めて身と尾を切り離さない。
  4. 今度は中骨を下にして肩口から包丁を入れ、中骨と身を切り離し、尾の付け根で刃を立てて中骨を切り落とす。
  5. 両身の腹骨を除き、身の中央に縦に切れ目を入れる。
  6. 小麦粉と卵とをかき混ぜた衣をつけて、サラダ油でカラッと揚げる。
身が小さいので、あまり揚げすぎないように注意すること。

メバルのから揚げ

小型のメバルが釣れたときには、から揚げが向いている。頭もヒレも丸ごと食べられるから満足感がある。

【調理手順】
  1. ウロコを引いて、エラブタからエラとハラワタを取り出す。
  2. 水洗いしてから、軽く塩をふりかけ2~3時間おく。
  3. 両側に中骨に達する包丁目を2本ずつ入れる。こうすると火の通りがよくなる。
  4. 小麦粉か片栗粉をまぶして、油でカラッと揚げる。
酢醤油で食べてもよし、また中華風あんかけを作って、これをかけて食べるのもまた楽しい。

クロダイの炊き込みご飯

クロダイはどんな料理方法でもおいしい。刺身、あらい、塩焼き、バター焼き、から揚げなど。ここでは「クロダイの炊き込み」ご飯をご紹介しよう。炊き込みご飯はマダイ、スズキ、イカ、タコなどで作るが、クロダイが一番うまい。
クロダイの炊き込みはなぜ特別にうまいのか。クロダイで作るとご飯にねばりがでるからだ。

【調理手順】
  1. まずウロコを取り除き、腹を割いてハラワタを出す。頭はそのままつけておく。
  2. 米をといで、ダシを入れ、炊く前にクロダイを尾頭つきのままのせる。魚に水分があるため、米の水加減はやや少なめにする。
  3. これに細切りのニンジン、ささがきゴボウ、シメジなどのキノコ類を入れ、炊きあげる。
  4. 炊きあがったら、箸で頭や中骨、小骨を取り除く。
  5. 残った身をご飯と混ぜ合わせてから茶碗によそる。大きめの身を選んで、ご飯に乗せると見た目がよい。
クロダイの炊き込みご飯特有の香りが食欲をそそり、どんな魚飯よりもおいしい。
ただしクロダイは卵を持つ春の時期は、味が極端に落ちる。他の魚の多くは子持ちがおいしいのだが、この魚だけはどういうわけか子持ちがまずい。だから炊き込みご飯は春を除いた時期に挑戦するようにしよう。