イイダコの里イモ煮

イイダコは20cmほどのかわいいタコ。全国の浅い海や内湾の砂泥地に棲んでいる。
冬場になると飯粒のような卵巣を持つ。これがイイダコ(飯だこ)の名前のいわれであるが、この時期は特別にうまい。頭を口に含むと、えもいえぬ風味が口の中いっぱいに広がってくる。

【調理手順】
  1. ザルに入れて粗塩をかけて、2,3回もみ洗いと水洗いして、ヌメリを取る。
  2. スミ袋や目、クチバシを取り除く。スミ袋を抜かないと料理が真っ黒になってしまう。
  3. 下ごしらえしたいいだこに熱湯をかけるか、サッと熱湯にくぐらせるかして湯に通す。
  4. 水、醤油、砂糖、日本酒の煮汁で煮て、根しょうがを加える。
  5. これにあらかじめ水煮しておいた里イモをいれて味をなじませる。
  6. 出来上がりにネギの細切りを添えると出来上がり。
このイイダコは里イモとの相性が抜群にいい。
温かいうちに食べると、他では絶対味わえない歯ごたえと風味を楽しめる。

アマダイの幽庵焼き

料理書を見るとアマダイの旬は春になっていることが多い。しかし釣り人にとっては冬のイメージの方が強い。
これも料理書を読むと、アマダイは身が柔らかいので刺身に向かないとされている。しかし釣りたてのアマダイを刺身で食べると、ねっとりと歯にまとわりついてきて、ほかのどんな魚でも味わえないほどうまいものなのである。

ここでは近江の茶人、幽庵が創案したとされる「幽庵焼き」に挑戦してみよう。

通常の照り焼きは醤油とみりん、砂糖を煮詰めたタレをかけながら焼く。幽庵焼きでは醤油と日本酒、みりんの汁に漬け込んでから焼く。ここまでなら単なる漬け焼きだが、これにゆずの輪切りを添えると幽庵焼きになる。

【調理手順】
  1. アマダイは身が軟らかいので、皮をそぐようにしてウロコを取る。
  2. 頭を落として腹を切り、エラとハラワタを取り除く。
  3. 三枚におろし漬け汁に漬ける。
  4. 漬け汁に漬けた魚を金串に打ち、火にかける。みりんが多少入っているので、中火で焼いてこげるのをさける。
  5. 焼きあがる前にハケでみりんをさっと塗って照りを出す。
  6. ゆずの輪切りを添えて出来上がり。
照り焼きや漬け焼きはタレを焼くことによって香ばしい香りを出し、魚の臭みを抑える。特にアマダイの場合は淡白な身に風味が増していっそうおいしくなる。

一般的にアマダイといわれている種類はアカアマダイのことで、他にシロアマダイ、キアマダイの種類がある。味はシロ、アカ、キの順とされている。

カマスのフライ

カマスの白身はあっさりとした中にもかなりの脂肪分があり、なかなかうまい魚だ。
その料理法はいろいろあるが、カマスのフライはおすすめできる一品だ。
  1. 頭を落としてハラワタを取り除き、大名おろしで三枚にする。
  2. 腹骨をすき取り、適当な大きさに切って、軽く塩とコショウをふって、10~20分ほどおく。
  3. それに小麦粉をまぶして、次に溶き卵をくぐらせ、さらにパン粉をまぶして軽く指で押さえる。
  4. これを熱した油で、からっと揚げる。
  5. このカマスのフライにはタルタルソースがよく合う。レモンを添えて出来上がり。
フライを上手に揚げるコツは、温めた油を一定の温度に保つことだ。それには材料をたくさん入れすぎないこと。鍋の面積の半分ぐらいにおさえたい。
からっと揚げるにはていねいな油切りを心がけること。

マゴチのあらい

マゴチのあっさりした白身はどんな料理にも向いている。ここでは夏向きの「あらい」に挑戦してみたい。

マゴチを釣り上げたら首に包丁を入れて活き締めにする。持ち帰ったら手早く料理にかかる。それが鉄則である。

【調理手順】
  1. マゴチを三枚おろしは面倒である。腹を下にしてまな板に置き、包丁で尾の方から背ビレを切る。次に腹を上にして胸ビレを切り取る。全体のウロコを包丁の刃先で取る。
  2. 腹を上にして、カマの付け根に包丁を入れて中骨まで切る。
  3. 肛門から縦に包丁を入れて腹を割く。左手でエラをつかみ出し、その付け根を切り取る。
  4. エラを引っ張ってハラワタを取り出し、頭を切り落とし胸ビレとカマを切り取る。
  5. それから三枚におろす。一枚の身の皮を下にしてそぐように薄造りをつくる。
  6. 熱湯をかけて縮ませて、すぐに氷水に漬ける。引き上げてから水気を切っておく。
タレはポン酢醤油にモミジおろしと葉ネギ。または味噌、日本酒、みりん、酢と辛子少々を練った酢味噌でもいいだろう。
旬は6月から8月。この時期になると脂がのって、淡白でいて味の濃いマゴチならではの味覚が楽しめる。